財政調整基金とは
そもそも財政調整基金とは、年度間の財源不足に備えるため、決算剰余金などを積み立て財源が不足する年度に活用する目的の基金、いわゆる貯金のようなものです。
草加市の財政調整基金残高は?
では、草加市の財政調整基金残高はいくらなのか?ですが、自治体は単年度会計で運用されていることから、財政調整基金の残高が一番多くなるのは年度末の3月31日となります。
令和4年3月31日の残高は82.8億円となりました。しかし、令和4年度予算が始まる令和4年4月1日には、29億円に激減しました。1日違いで年度末と年度初めではこれだけの違いが出ます。
しかも、この29億円のうち、11.5億円は臨時財政対策債の償還分として確保しておかなければならないため、実質的な残高は18億円程度となっています。
※臨時財政対策債とは、国が自治体に交付する地方交付税の財源不足に対処するため、その不足する金額の一部を一旦自治体で借金をしてまかなっておく市の借金のことです。簡単に言うと、国が支払うべきお金が払えないから、自治体が代わりに借金しているということ。
なぜ、年度末と年度初めでは財政調整基金残高は違うのか?
草加市では、翌年度の予算を編成する際、お金が足りずに毎年この財政調整基金からお金を取り崩しています。令和4年度には、53.1億円の財政調整基金を普通会計(一般会計)に戻して予算編成をしました。令和5年度の予算編成においても、同額かそれ以上の取り崩しが必要となってしまいます。なので、年度末では、決算余剰金が積まれている状況となり、財政調整基金残高は多くなりますが、1日違いの年度初日では激減するのです。
年度末で82.8億円もあるのだから、使ってもよいのでは?
令和5年度予算を編成するのに必要な財政調整基金は最低でも53.1億円、臨時財政対策債償還分が11.5億円、合計64.6億円は実質的に使えないお金です。
残高の82.8億円からこの64.6億円を引くと、18.2億円だけが実質的に使える貯金となります。それ以上使ってしまうと、翌年度の予算が組めなくなるという、大変な事態になってしまいます。
財政調整基金は幾らが適正なのか?
一般的に財政調整基金の残高は、標準財政規模の10~20パーセントを基金に積み残すのが理想と言われています。草加市の財政で計算すると40億円から80億円程度となります。
しかし、草加市の現在の財政状況では、そこまでは厳しいので、現状では5パーセント、常に約20億円程度が残高として積まれている状況を目安として行政運営をしています。